周産期事故判例 H12(2000)〜H14(2002)  2002.10.9版

*◆は責任肯定例、◇は責任否定例
*「KW」はキーワード


H14(2002)年

◆H14.10. 8 大阪地裁判決 (吹田市民病院)
 (2002.10.8読売、共同)
 請求認容(約4600万円)
 KW:陣痛促進剤、仮死、クリステレル圧出法、帝王切開、3日後に死亡

◇H14. 9.25 東京地裁判決
 裁判所サイト
 請求棄却
 KW:死亡、呼吸障害、人工換気療法、転医

 <原告らの子が,被告医療法人丙(以下「被告丙」という)の設置する診療所で出生したが,被告東京都の設置する病院に転院し,出生の翌日に死亡した。原告らは,子の呼吸障害に対して,被告丙には転院措置を遅延させた過失があり,被告東京都には人工換気療法を早急に導入しなかった過失があるなどと主張して,債務不履行又は不法行為に基づき,損害賠償を請求した。>

◆H14. 8. 8 東京高裁判決 (新潟県厚生連村上総合病院)
 (2002.8.9共同)
 原判決変更・請求認容(1440万円)
 (原審 新潟地裁−230万円認容)
 KW:脳性麻痺、死亡

◆H14. 7.17 新潟地方裁判所長岡支部
 裁判所サイト
 請求認容(約1億250万円)
 KW:多胎、脳性麻痺

 <被告の開設する産婦人科医院において、三つ子を分娩した原告Cとその夫である原告Bが、その際、第三子として生まれた原告Aとともに、原告Aが低酸素性虚血性脳症による混合性四肢麻痺及び精神遅滞の後遺障害を負ったのは、三つ子(品胎)の分娩に適応できない被告開設の病院で原告Aらを分娩させたためであるなどとして、被告に対し、民法415条又は民法709条に基づいて損害賠償を請求した事案>


◆H14. 5.20 東京地裁
 裁判所サイト
 請求認容(660万円)(後遺障害との因果関係を否定、しかし、軽度になった可能性があるとした)
 KW:帝王切開、常位胎盤早期剥離、仮死、脳性麻痺

 <原告Aは,被告が設置する病院で,帝王切開により,常位胎盤早期剥離による重症新生児仮死の状態で出生し,脳性麻痺等の重い後遺障害が生じた。原告Aとその両親は,医師には常位胎盤早期剥離の診断が遅れて帝王切開の時機を失した過失があるなどと主張して,不法行為に基づき,医師の使用者である被告に対し,介護費用や逸失利益,慰謝料などの損害賠償を求めた>

◆H14. 5.15 東京高裁判決 (新潟県立がんセンター新潟病院)
 (2002.5.16産経) 
 控訴棄却
 (一審判決(H13.2新潟地裁 200万円の支払)を支持)
 KW:死産、母大量出血後にDIC

◇H14. 5.14 那覇地裁
 裁判所サイト
 請求棄却
 KW:帝王切開、仮死、呼吸不全、死亡

 <原告B(昭和26年11月12日生)は、原告Aの子を妊娠し、平成4年3月5日ころから那覇市立病院に通院していた。原告Bの妊娠状態は、前置胎盤であったが、胎児も順調に成長し、出産予定日は同年12月15日であった。同年11月7日、母体性器から出血が見られたので、C医師は、同日、帝王切開術を行い、出産は成功したが、胎児は仮死状態で出生した。生まれた子は後日「E」と命名された。Eは、出産後自発呼吸がなかったので、D医師らは、気管内挿管による人工呼吸を試み、出産から20分後に自発呼吸を得た。その後、引き続き挿管による呼吸管理が行われたが、Eは、翌8日19時、呼吸不全に陥り死亡した。また、C医師は、事前に原告Bの同意がなかったにもかかわらず、帝王切開の際、原告Bの子宮を全部摘出した。>

◆H14. 5.10 大阪地裁判決
 裁判所サイト
 (2002.5.10共同) 
 請求認容(110万円)
 KW:胎児仮死、脳性麻痺、約2年6ヶ月後に痙攣重積で死亡、分娩誘発、説明義務

 <胎児仮死で出生し,約2年6ヶ月後に脳性麻痺を原因とする痙攣重積で死亡した女児の両親が,女児の脳性麻痺ないし死亡は,被告の従業員である担当産婦人科医及び助産婦の診療行為上の過失によるものであり,また,分娩誘発の説明義務を尽くさなかったとして,診療契約の債務不履行に基づく損害賠償を請求した事案>
 請求認容

◆H14. 5. 8 鹿児島地裁判決
 裁判所サイト
 請求認容(35万円)
 KW:緊急帝王切開術、ガーゼ遺留

 <被告開設の病院において緊急帝王切開術を受けた原告が,その手術の際,被告の医師により腹腔内にガーゼを遺留されたとして,被告に対し,国家賠償法1条1項に基づき,慰謝料200万円及び弁護士費用20万円の損害賠償を求める事案で,被告も過失を認めており,争点は慰謝料額である。>

◆H14. 4.24 名古屋高裁判決
 裁判所サイト
 控訴棄却、附帯控訴棄却
 (請求認容(60万円))

 <被控訴人が,控訴人の経営する産婦人科病院において出産するに際し,担当医が,会陰を縫合する際,縫合に使用する針を被控訴人膣内に遺残したため,これを摘出するまでの間精神的苦痛を被ったとして,不法行為(使用者責任)に基づく損害賠償(慰謝料300万円,当審において100万円に減縮)の支払を求めた事案であり,原審が,被控訴人の請求を慰謝料60万円とこれに対する遅延損害金について認容したため,控訴人が控訴し,被控訴人が附帯控訴した。>

◆H14. 4.12 青森地裁弘前支部判決
 裁判所サイト
 (2002.4.12東奥日報、2002.4.13朝日新聞)
 請求認容(約5199万円)
 KW:胎児仮死、脳性麻痺、1歳7カ月で死亡、帝王切開

 <原告ら夫婦の子が出産時における低酸素症による脳性麻痺で新生児仮死に陥り,死亡したとして,出産を行った医師及びその雇用主である法人を相手に不法行為及び医療契約上の安全配慮義務違反があるとして損害賠償請求をする医療過誤の事案>

◆H14. 4.9 京都地裁判決 (京都第一赤十字病院)
 (2002.4.9読売、時事)
 請求認容(約9600万円)
 KW:遷延分娩、吸引分娩失敗、帝王切開、脳性麻痺

◆H14. 3.28 大阪地裁判決
 裁判所サイト
 (2002.3.28読売)
 請求認容(約2866万円)
 KW:母体死亡、出血性ショック、内診、止血処置

 <Eが,被告の経営する医院において,同院医師Dの診察のもと出産したところ,出産後,Eが死亡したことから,Eの遺族である原告らが,被告に対し,不法行為(使用者責任)に基づく損害賠償を請求する事案>

◆H14. 3.20 鹿児島地裁
 裁判所サイト (なお、H14. 5.8と表示されている。)
 (2002.3.21朝日) 鹿児島県立大島病院
 請求認容(1460万円)
 KW:低体重児、MRI検査中に呼吸停止、蘇生

 <原告らの子が,被告開設の病院において,MRI検査中に呼吸停止に陥ったところ,被告の医師による蘇生措置が遅れたため,低酸素性脳症により死亡したなどとして,原告らが被告に対し,診療契約の債務不履行又は使用者責任(国家賠償法1条1項)に基づき損害賠償を求める事案>

◇H14. 3. 6 神戸地裁
 裁判所サイト
 請求棄却
 KW:無痛分娩、硬膜外麻酔、呼吸不全、母死亡、児死亡

 <亡甲の夫及び同人らの子である原告らが,甲が被告経営のB病院において第4子を分娩する際,被告病院の医師らが,無痛分娩のための硬膜外麻酔を行った後に甲の容態が急変して呼吸不全が生じたにもかかわらず,早期に適切な処置をとらなかったことが原因で,甲及びその胎児が死亡したと主張して,かかる被告病院医師らの不法行為につき,被告に対し,使用者責任に基づく損害賠償を求める事案>

◆H14. 2.25 東京地裁判決
 裁判所サイト
 (2002.2.25毎日)
 請求認容(450万円)
 KW:非対称性発育遅延、低酸素状態、胎児死亡、胎児の発育状態・成熟度の確認

 <胎児が死亡したのは,被告が,出産予定日の平成11年9月8日以降,胎児の発育・健康状態に関する確認を怠り,胎盤機能不全を原因とする非対称性子宮内胎児発育遅延を見落としたことに原因があるなどと主張して,胎児の両親である原告らが,被告に対し,診療契約上の債務不履行ないし不法行為に基づき,胎児死亡による慰謝料請求をしている事案>

◆H14. 2.14 名古屋高裁判決
 裁判所サイト
 (2002.2.14朝日)
 請求認容(約3604万円)
 (原判決取消し)
 KW:遷延分娩、胎児仮死、胎便吸引症候群、死亡、吸引分娩、鉗子分娩、帝王切開

 <控訴人Bが被控訴人経営の医院においてEを出産しようとしたところ,右出産がCPDを原因とする遷延分娩であったのに,被控訴人がCPDでないと誤診し,分娩監視装置を使用しなかった結果,胎児仮死を予見することができず,適切な時期に急速遂娩術を実施することを怠ったため,Eは仮死状態で出生し,胎便吸引症候群により死亡したとして,Eの父母である控訴人A及び同Bが,被控訴人に対し,債務不履行又は不法行為に基づく損害賠償を請求した事案>


H13(2001)年

◆H13.12.20 仙台地裁判決
 裁判所サイト
 請求認容(724万円)
 KW:母死亡、出血性ショック、播種性血管内凝固症候群、輸液、濃厚赤血球投与、気管内挿管、陽圧呼吸、オピアル、代謝性アシドーシス

 <Eの出産後の死亡は,被告病院の医師らが出血性ショック及び播種性血管内凝固症候群に陥ったEに適切な治療を行わなかったことによるものであると主張して,Eの子又は親である原告らが,被告に対し,民法715条1項(使用者責任)又は民法415条(診療契約の不履行)に基づき,損害賠償を請求した事案>

◇H13.12. 5 前橋地裁判決
 裁判所サイト
 請求棄却
 KW:左足大腿骨骨折

 <原告A,その父である原告B,その母である原告Cが,原告Cが被告の経営する病院において原告Aを出産した際に,担当医師が過失により原告Aの左足大腿骨を骨折させたと主張し,被告に対し,債務不履行または民法715条の不法行為に基づき損害賠償と訴状送達の日の翌日を起算日とする民法所定年5%の割合による遅延損害金の支払いを求めた事案>

◆H13.10.17 東京高裁判決 (東邦大学医学部付属大橋病院)
 裁判所サイト
 控訴棄却・請求認容(約4855万円)
 (原審 H10.3.23 東京地裁)
 KW:新生児室内のコット(新生児用ベッド)、出生から3日後、うつ伏せ寝、呼吸停止、心停止。低酸素脳症。脳性麻痺。約7か月後に死亡

 <控訴人の開設する東邦大学医学部付属大橋病院の新生児室内のコット(新生児用ベッド)に出生から3日後にうつ伏せ寝で寝かせられていた際に、呼吸停止、心停止状態に陥り、低酸素脳症となって重度の脳性麻痺の障害を後遺し、約7か月後、この障害の下で死亡したCの両親である被控訴人らが、控訴人に対し、Cが呼吸停止、心停止状態に陥り、結局死亡したのは、控訴人及び控訴人病院新生児室付き助産婦の注意義務違反が原因であると主張して、不法行為又は債務不履行を理由に損害賠償を請求する事案>

◆H13. 9.18 神戸地裁判決
 裁判所サイト
 請求認容(100万円)
 KW:陣痛促進剤、異常出血、母死亡、説明義務、自己決定権

 <亡Fが,被告Dの営む産婦人科医院において陣痛促進剤による分娩をした後,異常な出血が始まり,被告Eの設置するH病院に転送され,緊急の治療・手術を受けるも結局死亡するに至ったため,Fの夫及び子である原告らが,被告Dに対しては民法415条又は709条に基づき,被告Eに対しては民法415条又は715条に基づき,Fの死亡による損害の賠償を請求した事案>

◆H13. 4.26 横浜地裁判決
 判時1781号125頁
 請求認容(約1億1718万円)(控訴、和解)
 KW:骨盤位、外回転術、常位胎盤早期剥離、助産婦

◆H13. 1.31 東京高裁判決
 判タ1071号221頁
 原判決取消し・請求認容(約8253万円)(確定)
 (原審 H9.10.31 東京地裁判決)
 KW:妊娠中毒症、脳出血、左半身麻痺、血圧監視

◆H13. 1.10 静岡地裁沼津支部判決 (沼津市立病院)
 判時1772号108頁
 請求認容(約1億0871万円)(控訴)
 KW:脳性麻痺、急速遂娩


H12(2000)年

◆H12.10.23 東京地裁判決
 判例マスタ
 (2000.10.23共同、朝日)
 請求認容(約4500万円)
 KW:仮死、その後死亡、蘇生措置

◆H12.10.13 浦和地裁判決
 判例マスタ
 (2000.10.13毎日)
 請求認容(5230万円)
 KW:新生児、臍帯から出血、低酸素性虚血性脳症、死亡、出血防止

◆H12. 9.12 千葉地裁判決
 判時1746号115頁
 請求認容(約71万円)
 KW:生後4週間の新生児、常用量を大幅に上回る薬の処方、呼吸困難、チアノーゼ

◇H12. 8.31 東京高裁判決
 (2000.9.1朝日)
 原判決取消し・請求棄却

◆H12. 7. 3 名古屋地裁判決 (名古屋市立緑市民病院)
 判時1738号88頁
 請求認容(約3653万円)
 KW:双胎、第1子の分娩で児頭を骨盤腔内に固定せず、人工破膜

◇H12. 5.11 岡山地裁倉敷支部判決 (倉敷中央病院)
 判タ1084号242頁
 請求棄却(確定)
 KW:吸引分娩、脳性麻痺

◆H12. 2.29 仙台高裁判決 (岩手県の県立病院)
 判タ1089号248頁
 (原審 H10. 3.27 盛岡地裁判決 判タ1089号248頁に参考収録)
 原判決変更・請求認容(約5060万円)
 KW:臨月間近で高熱のある妊婦、解熱剤(メチロン)を注射、胎児死亡、羊水塞栓、妊婦死亡

◇H12. 2.24 静岡地裁判決 (清水市立清水総合病院)
 判タ1098号200頁
 請求棄却(控訴)(後、控訴棄却・確定)
 KW:帝王切開、仮死、死亡、羊水塞栓、ショック